メロディの予測

以前、言語的予測
というお話をしましたが、
それの音楽版のお話です。

 
カラオケ店に行って歌うとき
「メロディー入り」というのが
ありますね。

歌う為のフォローが目的ですが、
それは必ずしも大きな音ではありません。

しかしながら歌い手は
耳で追いかけることが出来ます。

これは、メロディーを知っているという
前提があるからです。

しかも大きく予想を裏切られることは
ありませんので、頭の中で、
安心して追いかけることができます。

 
耳には、多少聞こえない部分があっても
その前後の構成から、
内容を理解することができる

という機能もあります。

>>過去の記事「耳のフラッシュラグ」

多少聞こえない部分があっても
次を予測し、頭の中で
繋ぎ合わせることができるのです。

 
私は、音楽のミキシングエンジニアでも
ありますが

音楽のバランスを取るときには、
これらの脳(聴覚)の機能を
最大限利用します。

 
みんなが聞こえているであろう音は、
小さめにミックスすることが出来ます。

代表的なのはボーカルですが、
ボーカルは大きいようで
あまり大きくない時もあるんです。

 
また、ある音を印象付けたい、

でも他に主役となるべき音があるので、
バランスとして大きくはしたくない

そんなときは、

音の最初の方だけ持ち上げて、
意識をそちらに向けさせてから
徐々に下げて行く、

ということがをします。

(サビ前のストリングスの駆け上がりや
カウンターのギターのアタマとか、
良くやりますね)

 
聴覚も、けっこう錯覚を
起こしますので、

我々としては
利用しない手はないのです^^