さて、ここまでは
音声の使い方や、
音を取り扱う上での注意点などを
お話ししてきましたが、

ここからは、実際に録音するときに
必要なソフトやマイクについて、
簡単に紹介します。

オススメの録音アプリ

様々なアプリがありますが、
その中から代表的なもので、
実際に私も使ってみて、

これは大丈夫

というものを紹介します。

(他のものがダメというわけではないです)

 
まずはこれ

「Audacity」

windows版

http://audacityteam.org/download/windows

mac版

http://audacityteam.org/download/mac?lang=ja

 
編集画面はこんな感じです。
 
Audacity

このソフトで、
基本的な編集は事足ります。

録音することもできますし、
他のソフトで録音した音声を
編集することもできます。

もちろんBGMを乗せたり、
簡単なイコライジングをして、
聞き取りやすくすることもできます。

 
そして次に、
もっと簡単に収録できるのが、

「Quick Time Player」

です。
appleの標準ソフトですが、
windowsでも使えます。

 
windows版はこちら

“https://support.apple.com/kb/DL837?viewlocale=ja_JP&locale=ja_JP”

こちらは編集ソフトではなく、
録音ソフトです。

なので、
こんな感じで、
録音ボタンぐらいしか
無いのです。
 
QTP
 
一人でしゃべって
すぐに録音し、
完成品としてブログ等に載せたい

という時は、
これで一気に録ることもできます。

編集が必要になったら
「Audacity」で編集する
という使い方がオススメです。

 

マイクロホンの選び方

「マイクは何を使えばいいのですか?」

とよく聞かれるのですが、
ビジネス音声コンテンツであれば、
高価なものは必要ありません。

用途に合わせたマイクを選べば、
ほとんど大丈夫です。

なので、

オススメ、

というより、
使い方の紹介です。

 

ヘッドセットタイプ

こんな感じのマイクです。
(写真は、ヘッドホンが
付いているタイプです)

バッファローヘッドセット
(BUFFALO:BSHSUH13BK)
 
このマイクは
「単一指向性」と言って、
“ある一定方向の音”を
よく拾うようにできています。

このマイクの場合は、
口元の方向です。

こんな音がします。

 

 

声が近くて明瞭度がありますね。

聞き取りやすく感じます。

ちょっと音が硬いので、
音量の上げすぎには注意した方が
いいですね。

 
このタイプのマイクは、

マイクから距離が離れると
音を拾いづらいところですが、
頭に着けているのであれば
問題ないでしょう。

私はスカイプをする時は
これを愛用しています。

非常に使いやすいです。

 
次は置き型タイプ
(PCに内蔵されているマイクも
同じタイプと考えて大丈夫です)

サンワサプライマイク2
(SANWA SUPPLY:MM-MCU01BK)

 
あらゆる方向の音を拾いやすい
「無指向性」のマイクです。

こんな音です。

 

 

こちらは、
2人以上で話すときや、
マイクから離れる必要がある時に
使用するといいでしょう。

スカイプをしながら、
バタバタと動き回る時には
こちらを使っています。

ヘッドセット型だと、
コードの長さで動ける範囲が
制約されるのですが、
これは置いておけるのがメリットです。

 
ただし、周囲の雑音を拾いますし、
「サー」というノイズも
少し入ってしまいます。

収録場所が静かであることが
条件になってきますね。

 
2つを聴き比べてみると、
前述したように、
声の距離感が違いますよね。

印象も変わってくると思います。
 

2人以上で話す時の注意点

さて、音声コンテンツを作る時、
2人以上の会話を
収録することもあると思います。

インタビューなんかもそうですね。

その時に
必ず押さえておかなければならない
ポイントがあります。

それは、

マイクとの距離と音量の関係です。

 
前のページ
音声コンテンツp2「伝わる音」
でもお話ししましたが、
距離感が違う会話は
聞き取りづらいのです。

そして、距離感と同じく、
音量差が聞き辛さを増幅させます。

 
人間は人それぞれ声の大きさが違います。

口とマイクとの距離を同じにするだけでは
音量は同じにならないのです。

 
 
まずは、等距離で話して録音してみて、
それを聞いてみましょう。
(テスト録音です)

そして、
声の大きい人はマイクから遠ざかり、
声の小さい人はマイクに近づきます。

それを2,3回繰り返せば、
聞きやすい会話が出来上がります。

多少、面倒くさいように
思うかもしれませんが、
そのあとの「伝わりやすさ」を考えれば
このぐらいの手間はかけてもいいと思います。

 

意外と大事な「部屋の響き」

そして、収録する時に注意して欲しい点が
もう一つあります。

「部屋の響き」です。

反響音ですね。

カッコよく言うと
ルームアコースティックです。

 
わかりやすく説明すると、

例えば、

コンクリート壁の倉庫や、
誰もいない体育館などで
音を録ったらどうなるでしょう?

 
こんな感じになります。

[響く部屋で録った音]

 
(ちょっと大げさですけど…)
聞き取れないことはないのですが
明瞭度は下がりますね。

聞きやすい音源と聞き比べれば
違いは歴然としてますね。

[普通の音]

このような部屋の響きも、
聞いている人へ
内容が伝わりにくくなる原因の一つです。

実は普通の家でも
同じようなことが起こります。

壁の材質や、
部屋の形状に影響されます。

 
特に、

「置き型タイプ(PC内蔵マイク)」

を使用しているときは要注意です。
周りの音を拾ってしまうので、
部屋の反響音まで録音されてしまうのです。

実はこれが厄介でして、
我々プロでも、反響音を取り除くことは
できないのです。

※「取り除ける」という謳い文句で
売り出している編集ソフトなども
ありますが、、、
正直オススメしません。。。
(かなり怪しいです。。。)

なので、

録音するときは、
響かない部屋で録ることを
強くオススメいたします。

多少マイクの性能が悪くても、
響かない部屋、空間で録音したほうが、
聞き取りやすくなるのは間違いないです。

 
ちょっとしたテクニックを
お教えしますと、

部屋のカーテンを閉めたり、

話す人の周りに
厚手の洋服(コート)とかを
たくさん吊るしたり、

そんなことでも余分な響きは防げます。

ちょっとの工夫で、
伝わる音になります。

とにかく一度録音してみて
それを聞いて確認してみることが大事です。

録音の基本

さて、ここまでは、
技術的なお話をしてきましたが、

ひとつ大事なことをお伝えし忘れてました。

ぜひ覚えておいていただきたいことです。

それは、

録音を失敗すると、
その後の作業では直せない

ということです。

もちろん、録音した後に聞きづらければ
整音作業をして聞きやすくするのですが、

その作業には限界があります。。

 
料理に例えるなら、

 
録音…食材

編集(整音)…調理、盛り付け

 
です。

 
食材が良いものでないと、
どんなにウデの良い料理人でも、
美味しいものを作るには
限界があります。

 
録音で失敗しない。

失敗しても最小限に抑える。

 
後で、調理できる音を
録ることが何より大事です。

 
 
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伝わる音とその作り方が
少しお分かりいただけたでしょうか?

次のページでは、
映像を撮る時の
「音」についての注意点を
お話ししますね。

 
次のページ>>「映像を撮る時の注意点」