早十昊平のボーカルコーチング_033

今日取り上げる曲は

青木カレンさんの

『Shining』

です。

最近よく聞いている
お気に入りのアルバムの1曲です。

 
さて、
今日の話は、
毎度、文章では伝わりづらい
リズム系の話です。

その中でも一番説明しづらい
“ノリ”や“グルーヴ”の話です。

 
伝わらない事を承知で書きます!!
お時間がありましたら、
ダメもとでお付き合い下さい!

 
まずは1コーラスお聴き下さい。
 
 

 

日本人が英語を歌っている事に
違和感というか、ニセモノ感を
抱くでしょうか?

それとも、上手いなぁと思うでしょうか?

 
今日は、前者の感想を
持たれたという前提で
話を進めていきます。

 
 
あらためて、

1:11のサビ直前の、“キメ”の部分を
聴いて下さい。

 

 
歌詞は多分、

『end keep on』

でしょうか?

音符で書くと

♪. ♪. ♪
end keep on

です。

(文字化けしていたらスミマセン

付点八分音符/付点八分音符/八分音符

です)

 
で、ここで、
この曲全体から感じ取れる、
“日本人が英語を歌ってる感”
の正体の話です。

 
英語の発音がネイティヴでないとか、
そういう話ではないです。

 

リズムのアクセントの意識が
どこにあるか?

 
 
これに尽きます。

 
 
テンポは118ぐらいですね。
メトロノームのある方は、
音楽と同時に鳴らしてみて下さい。
(無い方は手拍子をしてみてください)

 
その際、

拍アタマと同時に音が鳴るようにすると、
この歌い手と同じ、日本人的なノリになります。

 
逆に、半拍ずらして
裏拍で音が鳴るようにすると、
英語圏の人のリズム感になります。

 
 
 
….わかりませんよね。

 
 
 
『end keep on』の部分で説明すると、

表拍の意識だと、
『en』にアクセントが来ます。

裏拍の意識だと
『ke』『on』にアクセントが来ます。

 
アクセントと言っても、
強く歌う、
という事ではなく、

そこを意識してタイミングを当てる
ということです。

 
そこにリズムのノリを決める、
“しっかり当てたら気持ちのいい場所”

があるのです。

 
 
 
…ますますわかりませんね。

 
 
 

例えば、
実際のレッスンでは、

 
曲を通して、
裏拍で手拍子をしてもらいます。
(場合によっては踊ります!)

 
ん, カッ,ん, カッ,ん, カッ,ん, カッ,

(「カッ」の方がアクセントですよ)

 
 
そして、

それを体に入れ込んだ後に、
あらためて歌を歌ってもらいます。

そしてさらに、
歌詞と譜面を分析し、
どの単語(言葉、文字)を意識して、
リズムに当てていくかを決めていきます。

ピンポイントで狙います。

他は良い意味でいい加減に歌います。

それで心地よいノリ、グルーヴ感が
生まれます。

 
もし、
全ての音をリズムにきっちり当てると、

グルーブの無い硬い歌、
もしくは平べったい歌に
なってしまう可能性が高まります。

 
 
【いい加減に当てるところ】

【しっかり狙って当ててくところ】

 
 
この二つを明確に分けて歌う事で
ノリを生み出していけるのです。

 
 
この曲もそうなのですが、

オケが
裏拍でノッた方がカッコいいオケなので、
(この判断は音楽的な感性ですね)
歌も裏拍でノルべきなのです。

その意識が無いと、なかなか

“それっぽく(英語っぽく)”

ならないのです。

 
このちょっとした意識の違いが
大きなカッコよさを生み出します。

 
 
ちなみに、
アフリカ系、欧米系の方達は、
表拍でノルのが苦手です。

演歌とか音頭とか、
1、3拍で手拍子する曲ですね。

これについての詳しい話も
機会があればしたいですね。

 
とりあえず今日のところは、

 
 
持って生まれたDNAが違うので
ノリが違うのはあたりまえ

 
出来ないのなら、
理論を勉強して習得すべし

 
 
と覚えておいて下さい(笑)

 
あちらの文化の音楽をやる以上は、

ノリ・グルーヴの違いについて

知識としてもしっかりと学び、

それを歌に取り入れた方が

間違いなく良い結果が生まれますよ。

 
 
ではまた!

 

このブログは、録音エンジニアで音響家の早十昊平が、人様の歌に好き勝手にケチをつける、、、じゃなかった、プロの歌録音の現場で日々行っているディレクションをもとに音楽を分析したものです。題材として取り上げている音楽やアーティストには敬意はありますが敵意はありません!むしろ好きです!!