早十昊平のボーカルコーチング_016
今日は根本に立ち返って話をします。
音楽の3大要素は、
メロディ、リズム、ハーモニー
ですが、「歌もの」の場合は
もう一つ、重要な要素が加わります。
言うまでもなく【歌詞】ですね。
歌詞を聴いて、
色々な情景が浮かんだり、
共感したり、
つい口ずさみたくなったり、
そんな感じで好きになってもらう事って
多々ありますよね。
ただ、想像以上に難しいのは、
音楽を聴いてもらっただけで、
歌詞を100%届ける
ということなんです。
歌詞カードを見れば一発ですけど、
例えばラジオから流れてきたとしたら、、、
その音楽にどれだけ
集中しているかにもよりますが、
歌詞が全部伝わるってことは
ほとんど不可能ですよね。
技術的に言うと、
言葉のアクセントと
メロディーのアクセントが違ったり、
オケのダイナミックレンジ(うるささ加減)
との兼ね合いから、
歌が埋もれてしまったり、
そんなことはしょっちゅう
起こるのです。
それは現代の音楽をやる以上
仕方の無い事です。
(その対応策として、
歌詞カードを見ながら音楽を聴いてもらったり、
テレビ番組では字幕を付けたりしますよね)
激しい曲なんかは、
歌詞よりも音楽としての曲調、雰囲気を
先に伝えたいので、
歌詞は後回しでも良いんです。
しかしながら、
【聴かせるバラード】
は、しっかりと
“歌詞を伝える努力”
をして欲しい、
と私は思います。
勢いのあるロックやポップス、
また早口でまくしたてるラップなどは、
聞き取れない部分があっても良いと思います。
でも、バラードなのに、
雰囲気重視で歌い、
歌詞を軽視するというのは、
疑問が残ります。
もちろん
ハミングの曲や(北の国からのテーマとか)、
英語等の外国語の音楽を聴くことは
ありますので、
必ずしも
歌詞を伝える事が
“最重要”
とは言いません。
雰囲気作りは大事です。
m-floの持ち味は、
その辺りにあると思うので、
歌詞が聞き取れない事を
全て否定はしませんが…
私は、日本人なので、
日本語の歌詞が聞き取りづらいと、
ちょっと居心地が悪いんです。
聞き取れないもどかしさ、
じれったさ、
みたいなものが残ってしまい、
純粋に楽しめないのです。
ドライブのBGMとかでしたら
良いのでしょうけど。
という訳で、
1コーラス程、
聴いてみて下さい。
m-flo
『Yours only』
歌いだしが、
『元気でない意味も』
に聞こえてました(笑)
正解は
『やりきれない日にも』
でした。
(再生環境にもよりますね)
歌詞の聞こえ方と
雰囲気やニュアンス
どちらを取るか?
あなたの音楽次第ではありますが、
一生懸命考えた歌詞を伝えたいのに、
上手く伝えきれないのならば
まだまだ改善の余地はあるということです。
それは私のコーチングの
最も得意とするところです。
このブログには、
具体的なやり方なんかも書いていきます。
余談ですが、
所々、聞こえてくる文字を
アタマの中で適当に繋ぎ合わせて、
一つの文章を作ってしまうのは、
人間が他人の話を理解する上での重要な能力です。
(これは脳科学で証明されている話です)
こんな記事を
昔ブログに書いていましたので
良かったら見てみて下さいね!
『言語的予測 言語的常識』
『耳のフラッシュラグ』
それではまた!
このブログは、録音エンジニアで音響家の早十昊平が、人様の歌に好き勝手にケチをつける、、、じゃなかった、プロの歌録音の現場で日々行っているディレクションをもとに音楽を分析したものです。題材として取り上げている音楽やアーティストには敬意はありますが敵意はありません!むしろ好きです!!