早十昊平のボーカルコーチング_041
今日取り上げる曲は
Mr.Childrenの
『彗星(ほうきぼし)』
です。
今日のテーマを発表する前に、
まずは、歌詞を見ずに、
1コーラスお聴き下さい。
ところで歌詞は聞き取れましたか?
正直、
私は半分ぐらいしか聞き取れませんでした。
1番の歌詞を書きましたので、
今度は見ながら聴いてみて下さい。
『寝れない日が続いて かすれた僕の声が
はしゃいでる君の気持ちを曇らせた
「別にそれほど疲れていやしない」
なるたけ優しい言葉 慌てて探してみる
君は知ってんだろう? 僕の大風呂敷を
今 そいつで未来を盗むから さぁ手伝って
古い遊園地の観覧車から 見慣れた街見下ろし
ほら 今日までの僕らに 小さくエールでも贈ろうか
目を瞑っても消えない光 君の心に見付けた
すぅーっと 優しく
淡く弧を描いて 頬をなでてく「彗星」』
こんな歌詞でした。
歌詞が聞き取りづらいうえに、
さらに、日本語として
おかしなところで区切って歌っていますね。
例えば出だしの
『寝れない日が続いて かすれた僕の声が
はしゃいでる君の気持ちを曇らせた』
この部分を、
歌い方に沿って書いてみると
『寝れない、日が続いてかすれた、
僕の声がはしゃいでる、君の気持ちを曇らせた』
こうなりますね。
意味もわかりづらいですし、
なんなら意味が変わってしまってます…。
はしゃいでるのは「君の気持ち」であって、
「僕の声がはしゃいでる」
のではないですよね。
でも、
こういう歌詞の伝わりづらい歌い方や
譜割り(メロディへの歌詞の当て方)
難しい単語の使用
なんかは
アリなんです!!
まず、良い効果としては
こうすることで、
逆にインパクトのある歌詞は、
アタマに飛び込んできますね。
分かりやすいところだと、
『大風呂敷』や『遊園地の観覧車』
あたりでしょうか。
全部を見せてもらえないと、
気になって、
もっと見たくなる心理
って、
なんとなくありますよね。
その要素が入って来てますね。
そして、
何度も曲を聞くうちに、
歌詞を見て、覚えたり、
頭の中で追いかけたり、
一緒に口ずさんだりすることで、
ますます好きになっていきますね。
まずは、歌詞がどうのとかではなく
ノリの良さ
カッコよさ、
疾走感、
ミスチル感
を楽しめば良いんです。
そんな類の曲です。
(世の中にあふれてます)
このような楽曲を歌うときには、
いつも、このブログで言っているような、
“言葉をわかりやすく伝える手段”
は、あまり必要ないかもしれません。
それよりも、いかに、
“ノリよく疾走感を出せるか”
そこに注力して
“心地よさ”を生み出してみるのが
良いのではないでしょうか。
その為には、
メロディーのアクセントを重視
(歌詞は考えすぎない)
グルーヴをしっかり捉える
感情は、声の表情で付けていく
この辺を意識したいですね。
歌詞を伝えることが大事な曲なのか、
そうではない部分で勝負する曲・歌なのか
歌い分けることを目指してください。
ちなみにミスチルは
こういった類いの曲も多いのですが、
しっかり聴かせたい曲は、
分かりやすく聞き取りやすい歌に
なっていますよ
ではまた!
このブログは、録音エンジニアで音響家の早十昊平が、人様の歌に好き勝手にケチをつける、、、じゃなかった、プロの歌録音の現場で日々行っているディレクションをもとに音楽を分析したものです。題材として取り上げている音楽やアーティストには敬意はありますが敵意はありません!むしろ好きです!!