早十昊平のボーカルコーチング_043

今日取り上げる曲は

平井堅さんの

『切手のないおくりもの』

です。
 

今日のテーマは、音符の長さ、についてです。

 
まずは1コーラスお聴き下さい。
(短いですが)

『私からあなたへ この歌を届けよう
広い世界にたった一人の
私の好きなあなたへ』

 
1行目に注目して下さい。

『私から』の『ら』
『あなたへ』の『へ』
『この歌を』の『を』

この3つは短く切ってます。
(『へ』はちょっと長いですけどね)

『届けよう』の『う(お)』

ここは軽く伸ばしてます。

 
ここで、

もし歌詞がなく、
『ラララ』だったとしたら、

と考えてみて下さい。

 
4つ目(『届けよう』の部分)だけ、
最後の音符を伸ばしますか?

 

多分、4つ目も同じように切る、
という人が多いのではないでしょうか?

もしくは、4つとも伸ばすか?

どちらにせよ、
「4つ目だけ変えよう」
とはなかなか思わないかも知れませんね。

 

この平井堅さんの歌は、

『届けよう』という言葉に
感情を乗せたかったのではと
私は想像しています。

 
もしここを短くしたら、
どう聞こえるのか、

聴いてみたいですね。

 
このように、

 
譜面にどう書いてある、とか、

メロディがリフレイン(繰り返し)で
韻を踏んでいるから、とか、

そんなことではなく、

 

「思うがままに歌うことが大事です!」

 
 
 

…ちょっと間違えました(わざとです)

そうではなくて、

 
「思うがままに歌ったように
聞こえることが大事です!」

(これが正解!)

 
 

理屈を考えて、アレコレ試行錯誤するのは、
歌い手や、我々作り手の作業です。

 
出来上がった歌を、

 
さらっと歌えるか?
聴き手に考えさせずに聞かせるか?

 
そこを意識して、
歌を作り上げていきましょう!

 
 
 

この曲には、
もう1カ所気になるところがありました。

 
『広い世界にたった一人の』の

『たった』の『っ』の部分も

『たーた』

と歌っていますね。

 
かなり特徴があります。

 
ここも、

『た(っ)た』と『っ』を発音しないか、

『たあた』と歌うか、

『たーた』と歌うか、

それぞれ印象は全く変わりますね。

 

この音源は“平井堅節”ですね。

下手にマネをするとヤケドをしそうです(笑)

 
自分の声の特徴や、
人間的なキャラクターをよく考えて、
その都度、最適な表現を
見つけていきたいましょう!

 

ではまた!

 

このブログは、録音エンジニアで音響家の早十昊平が、人様の歌に好き勝手にケチをつける、、、じゃなかった、プロの歌録音の現場で日々行っているディレクションをもとに音楽を分析したものです。題材として取り上げている音楽やアーティストには敬意はありますが敵意はありません!むしろ好きです!!