反則技

音を扱っていると、
よく思うことがあるのですが、

 
「音」のことを言葉で伝えるのは
本当に難しい、、、

 
心から感じます。。

 
目で見えるものならば、

例えば、デザインなんかで言うと

「その文字は大きく」

「その赤はもう少し薄く」

「そのイラストはもっと右に」

と、指示をしたり、意見を言ったり、
それについて議論を交わすことも
容易にできますね。

目で見えるので、
お互いの共通認識を
すぐに持てるのです。

そして、
より細かい部分まで、
お互いの共通認識を持ったまま
話を進めることができるのです。

常に対象(この場合はデザイン)を
迷うことなく確認できるのです。

『指差し確認』

が出来るんですね。

 
これが「音」だとどうでしょうか?

 
「もうちょっと歌を大きく」

「もう少し固い音に」

という風に言うことはできますが、
その

”曖昧さ加減”

が目で見えるものとは
比べものにならないのです。

 
「もうちょっとって..?これぐらいですか」

(もう一度、音を聴き直して、、)

「いやちょっと行き過ぎたかな」

 
というやり取りを
せねばなりません。

 
共通認識を持つことが
難しいんですね。

 
さらに

「もう少し固く」

だと、

「固く」

のイメージが
人それぞれ違うので、
そのイメージのすり合わせには
時間がかかります。

 
目で見えるもののように

『指差し確認』

はできません。。

 

宙空に浮かぶものを
つかむような感じで、

その正解を掴みに行くのです。

 
歌の指導で、

「もっと温かい声で」

というのも同じことでです。

「温かい」という
明確な答えがないものを
探し出す作業です。

あれこれ手を尽くして
その「声(音)」を探すのですが、
その作業は曖昧なものに
ならざるを得ません。

そして、
さらに厄介なことに、

やっとの事で出したその答えも、
実体のないものなので
明日になったら忘れてしまうかも
しれないのです。。。

(デザインならば簡単に持ち帰れますが..
うらやましいですね。。)

 
そこで、持ち帰るために取る手段として

録音する

ということになるのですが、

ここで
私のボーカルコーチングでは

『反則技』

を使用します。

 
長くなりましたので
続きは明日^^