音の空間作り
アンビエンスと
あらゆる空間には「響き」があります。
『アンビエンス』
なんて言ったりもしますね。
簡単に説明すると、
お風呂やトンネル、体育館などは
音が良く響きますし
和室や寝室は
あまり響かないですね。
これらの響きの違いは、
空間の広さ、
壁、床、天井の材質、
(固いコンクリか木材か絨毯か)
壁、床、天井の角度
(立方体か五角形の部屋か)
などによって生み出されます。
音響屋はこれらをかなり気にします。
以前、
ほぼ立方体で、
壁も床も天井も真っ平らで固い
という空間で、
動画音声収録を行ったことがあります。
その時は、普通に録音すると
声が響きすぎて聞きづらくなるので、
壁全体に、カーテンを吊るしました。
それだけで、音の響きは抑えられ、
声の明瞭度は増しました。
一緒に仕事をしていた音響以外の
スタッフは、そのアンビエンスの違いに
驚いていましたね。
アンビエンス問題は
他にもありまして、、
たとえば、
映像作品においては、
『映っている場所で鳴っているであろう音』
を作らなければなりません。
不自然さは絶対に無くさなければ
ならないですし、
それでいて、明瞭度と適度な音量が
もとめられています。
“不自然さ”で気を使うのは、
マイクを使って集音した以上
自然な音ではない
というところです。
その場で音声を収録していたとしても、
自然な音にはならないんですね。
マイクを通した音というのは、
普段の生活では聞きませんから。
(聞くのは映像や音声を
視聴するときだけですよね)
マイクを通した時点で、
“不自然確定”なんです。
それを適度なアンビエンス感のある音に
直す必要があるんです。
後から声を録音(アフレコ)しても
同様の作業が必要になります。
もしアンビエンス感が、
映像と違っていたら、、、
例えば、
寝室で会話をしている場面なのに
大きなリビングのような響きがあると、
なんとなく違和感を覚えます。
単純に聞きづらいかも
知れませんね。
これは、我々音響の仕事を
している者でなくても、
脳が勝手に感じ取ってしまいます。
そして、その”違和感”は、
作品への集中を妨げます。
作品自体をつまらなく感じさせてしまう
怖れがあるんですね。
より作品に感情移入して
もらうためには
観ている人を
映像の中と
同じ環境に引き込む
それぐらいの音作りが必要が
必要なんです。
そして今日も
細かい作業に励みます。。(^^)