空間の響き
あらゆる空間には「響き」があります。
お風呂やトンネルは良く響きます
和室や寝室は響かない事が多いです。
たとえば、
映画においては、
より感情移入させるためにも
観ている人を同じ環境に
引き込む必要があります。
その重要な要素の一つに音の響きがあります。
もし場面と食い違う
音の響きがあった場合、
例えば、
寝室の場面なのに
大きなリビングのような響きがある
これだと、一瞬にして視聴者を
現実に引き戻してしまいます。
視聴者は音のプロではないので、
その理由はわからないでしょう。
しかしながら、脳の無意識側への
わずかな働きかけが
大きな影響を及ぼしてしまうのです。
なんとなくの違和感
これを侮っては行けません。
なんとなくカッコ悪い
なんとなく面白くない
こんな感情につながります。
我々作り手は、微に入り細に入り、
気を配らなければ鳴りません。
映画館の音響システムや
家庭用テレビのスピーカーの品質が
向上している以上、
作り手の自己満足と
揶揄する事も出来ないでしょう。
人工的に響きを足す(場合によっては引く)
という作業がある以上、
舞台音響や音楽CDでも同じ事は言えます。
視聴者に違和感を与えず、
作品の中身に引き込むのも
重要な仕事です。
今日もがんばって作り込みます…