音響さんはウソをつく

まずはこちらをごらんください。
 

 
どうですか?

素晴らしいフラッシュモブです。

 
きっとその場にいた人は驚きと感動に包まれたことでしょう。

 
 
しかし、ここで1点、

“現実”

をお伝えしますね。

 
この映像はきっと本物です。

CG合成なんかもしていないでしょう。

でも、、、

 
音楽は別のところで録音されています。

 
それを、現場のガヤガヤした雑踏音と
後で合わせて編集されています。

 
我々のようなプロの音響家から見ると、
一目瞭然です。

(そもそもマイクが
楽器の前にないですからね。。)

 
別に、
騙されたとか、
ヤラセだとか、
そんなことを言うつもりはありません。

これは、フラッシュモブの作品として
立派に成立しているのです。

 
音響家は、

 
見てくれる、聞いてくれる人の
立場に立って音を作るんです。

 
作品を見て(聞いて)、
素直に感動してくれるように、
アレコレと手を加え、
必要ならば”ウソ”も混ぜ込みます。

 
もちろん視聴者に
気づかれたらダメなんです。

「あれ?録音は別どりかな…?」

なんて、一瞬でも考えさせては
ダメなんです。

あくまでも、自然に、
プロですらスルーしてしまうような
作品作りを目指すのです。

 

主役は「作品」そのものです。

音は、自然と通り過ぎる存在
でなくてはなりません。

 
そんな、

縁の下の力もち

に徹するのも我々の仕事です。