芸術とエンターテイメントの狭間

歌手、アーティスト、バンド

私が日常接することの多い音楽家達は、
さまざまな呼ばれ方をします。

私は時々、

『アーティスト』

という言葉に引っかかりを覚えます。

直訳すれば『芸術家』ですからね。

一概に、芸術と言い切れない
エンターテイメント寄りのことを
やっている人達も
ここに括られることは多いのです。

 
そもそも、
芸術とエンターテイメントの違いって
なんでしょうかね?

 
私の中では、

芸術は

自分がやりたい事をひたすらやって、
それに惹かれた人がファンとして
“勝手についてくる”
という形です。

作り手は、ファンのことなんて
微塵も考えません。

自分の本能の赴くままに、
作りたいものを作るんです。

それが『芸術』

 

一方、エンターテイメントは、

自分がやりたいことをやりつつも、
誰かに観て(聴いて、感じて)
もらうことを前提として作ります。

そしてその”誰か”に
楽しんでもらったり、
感動してもらったり、

幸せになってもらう事を
織り込んだ上で作っていきます。

お客さんありき、です。
 
もちろん、これは、

芸術とエンターテイメントの
二種類しか存在しない

ということではなく、

芸術寄りのエンターテイメントだったり

エンターテイメント寄りの芸術だったり

その割合たるや、無限にあると言えます。

 
歌手(アーティスト)が、
お客さんの盛り上がりを考えて
セットリストを作る

という作業は、

まさに”中間作業”と言えるでしょう。

 
芸術もエンターテイメントも、

 
人生における豊かさ

感情を揺さぶられる事による高揚感

 
そのようなものを
味わうことのできる素晴らしいものです。

どちらが優れてるとか、
そんなことは無いですね。

どちらも、そしてその”中間”も
我々には無くてはならないものに
なっています。

 
私は音響家として、
そのお手伝いができることを
誇りに思います(^^)