聴覚の”ピント”
さて、昨日の続きですが、
“聴覚のピント合わせ”
とは一体なんでしょう?
聴覚で説明するとわかりづらいので、
まずは視覚で説明しますね。
こちらの写真を見てください。
山の稜線にかかる雲が綺麗ですよ。
では、
写真から目を離してください
質問です。
1)ボートは何隻ありましたか?
2)桟橋の入り口の扉は、
何でできていましたか?
(鉄製ですか?木製ですか?)
写真を見直さずに
答えられましたか?
最初に
「山の稜線の雲」
と言ったので、
そちらに目がいきませんでしたか?
まず、どこを見たか
すなわち
どこにピントを合わせたか、
そして、
そのピントの部分に
どれだけフォーカス(集中)したか
それによって
得られた情報は違ってきますよね。
最初に「山の稜線の雲」にフォーカスせず
ただ写真を眺めただけだったとしたら、、
先ほどの質問にも
答えられる人は多くいたはずですね。
このように、
“目に入ってはいるが
認識はしていな部分”
というのが
視覚にはありますよね。
聴覚にも
同じように”ピント”があるんです。
人は、
聞こうと思った音に
フォーカスすることができるのです。
テレビを見ている時に、
周囲の雑音は気にならない
ですよね。
そのピント調節機能を
歌を歌う時に、
自らの意思でコントロールすることで、
歌がもっと歌いやすくなるのです。
歌を歌う時にありがちなのは、
ある音にフォーカスすることで、
聞かなければならない音を
聞くことができなくなっている
ということが起きていることが
多いです。
ある音とは、
歌(自分の声)
ですね。
歌に、集中しすぎると、
オケとの音程やリズム、
グルーヴに、
ズレが生じます。
逆に、
オケに集中しすぎると、
声の表情や音量感、
言葉のアクセントなどが、
おろそかになりがちです。
もっと細かく言えば、
オケの中の、
どの楽器の音に集中するかで、
自分の弱点を克服することもできます。
例えば、
グルーヴを合わせるために
オケの何を聞くべきか
もちろん曲によって異なるので、
絶対的なものはありませんが、
オケのノリを捕らえるための聞き方
という、言わば”コツ”のような
ものがあります。
聴覚のピントをどこに合わせるかで、
歌い方を変え、
弱点を克服することは可能です。
そして、
その”ピント調節機能”は
誰でも鍛えることができます!
音響家が鍛えられるのに、
歌い手が鍛えられない
ということはありませんよね。
私も音響の仕事をする前は、
音楽の経験も何もない
ただの人でしたし、、
是非、あなたにも
その方法を知って欲しいです^^
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