音のピント合わせ
舞台などで、オムニバスの音楽
(つまりアレコレ寄せ集めた音源)を
使用するときに気を付けること、
そんな話です。
結論から言うと音質を揃え、
違和感の無いようにするのですが、
何故それをやるかと言うと・・・
視覚で例えます。
例えば、
ボードに書かれたメッセージを
次々に連続して見せる
とします。
それを、
1枚目は5m先、
2枚目は10m先
3枚目は1m先(目の前)
と、違った距離にポンポンと出されたら、
観ている人はその都度ピントを
合わせなければなりません。
考えただけでも疲れます。
そんな疲れることを
強いる訳にはいきませんし
何より内容に集中できません。
さらに、そのボードの大きさや
文字の書体や色までもが違ったら・・・
言うまでもありませんね。。
聴覚(音)でも全く同じことが言えます。
視聴者は音量や質感などから、
無意識に距離や空間の広さなどを
検知しています。
それが変わらなければ
それを意識することはありません。
すなわち
内容に集中できる環境を作れた
ということです。
しかし音の連続性が途切れると、
いちいち変化に対応し聞き直す
(=ピントを合わせ直す)、
という動作が発生します。
観て欲しいのは内容です。
「中身」に集中して欲しいのです。
そのために”感じない部分”に
全力を注ぎます。
音質の均一化は地味ですが
とても重要な作業です。