偶然の産物

私の仕事の場合、

偶然の産物

が良いものであることも
しばしばあります。

 
それなりに経験を積んでいても

「やってみなけりゃわからない」

ということが多いんですね。

 
例えば、
録音エンジニアの仕事でも

「このピアノを後ろ(小さめ)にして、
ギターを手前(大きめ)にすると
こうなる」

というのは想像ついても、

「ピアノもギターも後ろで、
ストリングスを前」

というように、

あまりやらないことをやろうとすると
想像に収まらないこともあるんです。

 
他にも、

「歌をラジオボイスに」

「歌をケロケロボイスに」
(パフューム的な声)

ぐらいなら、
想像はつくのですが、

歌にギターにかけるような、
ディストーションをかけてみる

だと、

結果として

カッコよかったり、
使い物にならなかったり

思わぬ音になることがあります。

もし、

使い物にならないことが分かっていれば
やらなければ良いのですが、

偶然、良いものができる可能性があるだけに
やらずにはいられない

という感じですね。

 
 
歌のレッスンをしていても、

歌い方の方向性をどうするか、
基準となるものを考えている時などは、

例えば、切ない系の曲でも、

「ちょっと思い切って明るく歌ってみて」

なんて言うことはあります。

 
何か違う可能性が浮かんでくることが
あるんですよね。

「その歌い方、Bメロの
ワンフレーズだけ採用」

みたいなこともしばしばあります。

 
 
扱っているものが「音」という
実体のないものなので、
これといったマニュアルや指針が
無いからなのかもしれないのですが、

「なんでも試しにやってみる」

という精神は常に持つようにしています。