歌の上手さは何で決まる?
音程が合っていないと
下手な歌であることは多いです。
しかしながら、
音程が合っていてもうまい歌とは限りません。
これは表裏の関係ではないということです。
歌の録音や、ライブのリハ、
または歌のレッスンをしているときに
歌い手さんを見ていると、、、
歌い手はまず音程を合わせに行きます。
それは当然なんですが、
そこから先へ進むにはどうすべきか?
そこが悩みどころのようです。
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よく「表現力」という言葉を使う人がいます。
これが音程以外の事を
指しているのは間違いありません。
しかしながら
ディレクション(指導、演出)において
「表現力が無い。もっと表現を!」
という指示をよく見かけますが、、、
いかがなものかと思ってます。
「一体全体何をすれば…?」
と歌い手さんは悩んでしまいます。
「朝日が昇るような感じで」
なんて指示も聞いた事があります(笑)
歌の方向性を
本人に考えさせることが目的なら
まだ良いのですが、
録音にしろリハーサルにしろ
現場では時間がない状況が多いです。
その際には、
どこをどう歌ったら、
どのように声を出したら、
どんな声を出したら、
目指すその表現に近づけるのか
ということを明確にし、
指示を出すことが求められます。
指示する側にも技量が必要ですね。
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私が思う“歌のうまさ”を決める要素とは、
■音程
■リズム
…縦線
…グルーヴ
■アクセント
…音楽(メロディ)の持つアクセント
…歌詞の持つアクセント
■発声
…発声法
…声の表情
…声量
…ダイナミクス(音量の幅)
…持って生まれた声
音程を一番上に書きましたが
これは順不同です。
練習する上でも、順不同です。
歌のレッスンをするとき、
正直何から手をつけていいのか…
と思う事もありますが、
本人の声、技量、後々の科学の力(技術的修正)
それと与えられている作業時間を逆算して
前に進めて行きます。
私の感覚としては、
最終的には音程以外の要素が
歌のうまさを決める(聴き手に感じさせる)
ように思います。
あくまでも経験則ですが、
録音CDを作るときに、
ピッチ(音程)直しをしない方が
うまい歌というのがあります。
直す前と後で聴き比べて
そう感じる事がありました。
つまり、手を出しすぎたという事です。
いまだに何が正解かは分かりませんが、
聴き手に最高の状態で届くよう、
化粧(もしくは手術(笑))をしていく他ありません。
その結果
「朝日が昇るような…」
と聴き手が思ってくれるかどうかです。
もちろん他の感じ方をして頂いても良いのです。
最終ジャッジはリスナーに委ねます。
ちなみに音程が
歌の上手さを決める絶対的要素だとしたら、
この世で一番歌がうまいのは初音ミクです。